NISAとは?話題のニーサを初心者にもわかりやすく解説【とはサーチ】
NISAとは、2014年1月から始まった小額の投資を対象にした非課税制度のこと。
具体的には、年間100万円の投資額を限度として、株や投資信託などの取引で得た譲渡所得と配当所得が非課税になります。こうした所得には本来20%の所得税がかかりますが、2003年に導入された10%への軽減制度が2013年末で終了しました。そこで、この制度の後継として導入されたのが小額投資非課税制度(NISA)なのです。
NISA(ニーサ)の概要
- 日本国内に在住の20歳以上なら誰でも口座開設が可能
- 口座の開設は1人1口座
- 投資額は年間100万円まで
- 非課税期間は最長5年間 (つまり投資額は最大500万円)
- 口座開設期間は2014年〜2023年(平成26年〜平成35年)までの10年間
NISA(ニーサ)で運用できる商品 できない商品
NISA制度を利用して運用できる商品には、証券取引所(東証や大証)に上場されている株式のほか、投資信託・リート(不動産投資信託)・ETF(上場投資信託)などがあります。これら取引で生じた配当や譲渡益が非課税の対象となるわけです。
一方、FXや株の信用取引・個人向け国債・先物取引やオプション取引などのデリバティブはNISA制度を利用できないので注意が必要です。
NISA(ニーサ)に向いている投資スタイルとは?
では、どのような投資スタイルがNISAに向いているのでしょうか?それはズバリ、コツコツ投資型の中長期投資です。NISAでは毎年100万円という上限枠が設けられているため、仮に初年度に500万円を投資しようとしても無理なわけです。
そこで、貯蓄の500万円を毎年100万円ずつ、定期預金のように定期的に積み立てていくスタイルが理想と言えます。一方、一度買った株を売却してしまうと次の年までNISA制度の適用を受けられなくなってしまうため、繰り返し売買して運用益を稼ぐデイトレードなどの短期売買には不向きと言えるでしょう。
NISA(ニーサ)の意外なデメリット 思わぬ落とし穴とは?
非課税というメリットばかりに目が行きがちなNISAですが、実は意外なデメリットが存在します。それは、損益通算や繰越控除ができないという点です。損益通算とは、一年を通じて利益が出た商品と損失が出た商品が両方あった場合に、損失と利益を相殺できるという仕組みです。
仮に株で50万円の利益が出たとしても、別の取引で20万円の損失が出た場合、それらを差し引きして計30万円の利益と見なすことができるわけです。通常の課税口座ではこの損益通算が可能ですが、非課税の特例を受けることができるNISA口座では損益通算ができないのです。
次に、繰越控除というのは、この損益通算が年をまたいで出来る仕組みのことです。通常の課税取引では、ある年に損失が出たとしても最長3年に渡って翌年以降の利益と損益通算ができます。しかし、NISA口座での取引では、仮に損失が出たとしても翌年以降に繰越をすることはできません。
NISA(ニーサ)が恒久化される可能性は?
NISAの元となったイギリスのISA(アイサ)は1999年に導入されました。その後、若年層を中心に広く国民の資産形成に貢献したとされ、もともと10年の期限付きだった制度が恒久化され、今では国民の4割が制度を利用していると言われています。日本でもNISAの普及次第ではイギリスと同じように恒久化される可能性もあるかもしれません。