IoTの目指す未来とは?
アグリゲート・コンピューティング
すべてのモノがネットワークに繋がり、モノとクラウド・AIが総体となって機能するシステムをアグリゲートコンピューティングと言います。
さらに、モノだけでなく人や場所といった概念をもサイバー空間に取り入れた世界はIoE(Internet of Everything)やCPS(Cyber
Physical System)と表現されます。
これらはIoTのめざす言わばゴールと捉えることができますが、今後IoT化が加速することで社会が向かおうとしている方向性とはどのようなものでしょう。
スマート化される世界
携帯電話がスマートフォンになったように、世の中のいたるところでスマート化の流れが加速します。
IoTによって温度・湿度・照度・二酸化炭素濃度などを自動調節できるようになった農業はスマートアグリと呼ばれます。
ドイツ政府が製造業の生産性を上げるべく推進するインダストリー4.0では、機械と機械が連携するスマートファクトリーという構想を打ち出しています。
スマート革命
さらに、スマートロック・スマート家電・スマートグリッドにより家全体をスマート化したスマートハウスや、それを街全体に広げたスマートシティ、ひいては国家レベルのスマートカントリーという構想さえも出現し、こうした一連の流れをスマート革命と呼びます。
シェアリングエコノミー
また、IoTはカーシェアや民泊に代表されるシェアリングエコノミーをも加速させます。
IoT技術はモノの位置や利用状況といった情報がリアルタイムに得られることから、管理の無人化やセキュリティ面の向上が実現できるためです。
時代は所有から共有へ
海外の事例としては民泊アプリのAirbnbや配車アプリのUberが有名ですが、日本のサービスとしては、15分単位でのレンタルを可能にしたタイムズカープラスや、個人間でのカーシェアアプリを提供するAnyca(エニカ)などSNS時代を先取りしたサービスがすでに都市部を中心に始まっています。
あらゆるモノが共有される未来
クラウドファンディングはお金のシェア、クラウドソーシングは労働力のシェアと言い換えることができますが、ブランドバッグの定額レンタルのLAXUS(ラクサス)・愛犬家同士を結びつけペットホテルを依頼できるDogHuggy(ドッグハギー)など様々なモノのシェアがIoTにより加速しています。
フィンテック
例えば出先のレストランやショッピングにおいてスマホ一台で決済ができたり、飲み会の支払いをアプリ上で簡単にワリカンできたり、そうした入出金をもとに自動で家計簿を作ってくれたり、こうした技術をフィンテックと言います。
IoTは金融のあり方を根本から変える
IoTはこのフィンテックとも密接な関係があり、特にIoTによって生み出される膨大なビッグデータをAIで分析することにより、お金の流れが「より小規模に」「より短期間に」行われるような大変革が起こると予想されています。
テレマティクス保険
IoT化された未来では、自動車の運転中に急発進や急ブレーキ、視線の動き、血圧・心拍数の変化などのデータが常に送信されます。
そうしたデータをAIが分析することでドライバーの運転技量をランク分けし、それを元に保険料を決定する、こうした保険をテレマティクス保険と呼びフィンテックの一分野として今後の発展が期待されています。
2045年のIoT
2045年には「AIの能力が人類を超えるシンギュラリティ」が訪れるとも言われていますが、そのような未来ではインターネットは空気のような存在になり、IoTという言葉はもはや死語となっているのかもしれませんね。