ステマとは何か?ステマの意味を7つの具体例で解説【とはサーチ】
ステマの意味
ステマとは、ステルスマーケティングの略で宣伝の意図を隠した状態で行われる宣伝行為を意味します。
日本語で「こっそり」を意味する「ステルス」と、「販売戦略」を意味する「マーケティング」を組み合わせたステルスマーケティングを略したネット用語です。
7つの事例でみるステマの具体例
ステマは大きく分けて「一般人の口コミを装って高評価の書き込みをする」タイプと、「メディア・芸能人や有名人を利用して商品・サービスの宣伝を行う」タイプの2種類に分けられます。
どちらにも共通するのは、企業側の自作自演・ヤラセ行為であり、飲食店などに偽の客を並ばせて行列を装うサクラ行為と同様の手法とみなされています。
事例1)ステマコメント
ステマコメントとは、商品やサービスの利用者を装ってコメントを書き込み、その商品の評価をより高く見せかけようとするコメントです。
特に、ECサイト最大手のAmazonや、食べログ・価格.comのような「利用者が多く、巨額のマネーが動くプラットフォーム」上に多いとされます。
また、インスタグラムに代表されるSNSには、誰もが自由にコメントを書き込める機能があるため、そうしたコメント欄にもステマコメントが紛れ込んでいる場合があります。
事例2)インスタのステマ
近年、特に増えているのが写真系SNSのインスタグラム(Instagram)を使ったステマです。
インスタは女性ユーザーが多いことから、ダイエット効果を謳う食品やサプリメントを販売するために、加工された画像がアップロードされているケースがあります。
具体的には、「ビフォー・アフター形式で痩せたように見える写真」や「体重計などの効果がわかる数字が加工された画像」などです。
事例3)ブログのステマ
ブログのステマで有名なのは、2012年に起きたペニオク詐欺と呼ばれる詐欺事件で、実際には落札できない仕組みのオークションサイトを、多数の芸能人が報酬を受け取った上で公式ブログ上で宣伝していたことが発覚し炎上騒動に発展しました。
この事件をきっかけにステマ=ステルスマーケティングという言葉が広く世間に認知されるようになり、アメブロを含む多数のWebサービスが利用規約の改定などステマ対策の強化を迫られました。
事例4)2chまとめのステマ
匿名掲示板の2ch(現5ch)や、その内容を加工して作られる「まとめサイト」はその匿名性の高さからステマが蔓延していると言われています。
具体的には、いわゆる「稼ぎ方を解説したノウハウ系」「ポイントサイト」「FXなど投資系」「バイナリー オプション(通称BO・ハイロー)」など射幸心を煽るものが多く見られます。
事例5)アフィリエイトのステマ
商品やサービスを紹介し販売することで手数料を得るアフィリエイトにおいても、しばしばステマとの線引きがあいまいな情報が存在します。
具体的には、Webサイトやブログの記事の中で「オススメ」と書かれた先のリンクや、Twitterを含むSNSで交わされる投稿の中にも宣伝の意図を明らかにしていないアフィリエイトリンクが混ざっている場合があります。
事例6)YouTuberのステマ疑惑
動画サイトYouTubeにて、多数の登録者を抱える有名ユーチューバーの中にもたびたびステマ疑惑を疑われるケースがあるようです。
具体的には、不自然に特定の商品をオススメしたり、画面に映り込むように細工を施したりするケースが当てはまります。
こうしたステマ動画は過去に幾度となく炎上騒動を巻き起こし、その度に謝罪動画や活動休止に追い込まれるケースもあります。
事例7)ステマ案件と企業案件
登録者数が10万人を超えるような有名ユーチューバーの多くは、MCN(マルチチャンネルネットワーク)と呼ばれるマネジメント会社に所属していることが一般的です。
そして、この会社を通じて企業の宣伝を請け負う、いわゆる企業案件という活動をする場合があるのです。
ただし、実際には広告費を受け取っているにも関わらず、その事を隠した状態でプロモーション活動をしてしまうとステマ案件と揶揄されバッシングされるケースが往々にしてあるようです。
ステマは芸能人からインフルエンサーへ
一昔前のステマといえば、TVタレントなどの有名人・芸能人が公式ブログを通じて行うケースが中心でした。
しかし、近年ではSNSの普及にともなって、インフルエンサーと呼ばれる「数万人規模のフォロワーを抱える一般人」の存在が大きくなっています。
ステマまがいのPR手法
そして、こうした個人を利用したPR手法がインフルエンサー マーケティングという名のもと、急速に注目を集めています。
ただ一方では、商業的な面が見えにくいインフルエンサーの特徴を悪用した一部の企業により、ステマまがいの手法が氾濫しているという指摘もあるようです。
ステマって何が悪いの?
ステマの一番の問題は「宣伝や広告であることを隠している」という点であり、消費者の側からすれば「騙された」という感覚になる点です。
さらに、ステマを行っているのが企業自らであっても有名人であっても、「消費者を騙した」結果「金銭的な利益を得ている」という点がモラルや倫理に反すると感じる人が多くなっている理由だと考えられています。
ステマの線引き
では、ステマの線引きはどこにあるのでしょう?ステマの線引は非常に難しく、結論を言えば「消費者が騙されたと感じるかどうか?」だと言えます。
例えば、日本語で「広告」と表記するのではなく英語で「AD」や「PR」と表記した場合でも、その言葉の意味を知らない人からすればステマだと感じる可能性は十分にあります。
ステマかどうかは企業との関係次第
また、芸能人や有名人のインスタグラム上にアップロードされた写真においても同様のことが考えられます。
たとえば、直接的に商品を褒めたりオススメしてるコメントがなく、ただ単に商品が写り込んでいただけであっても、企業との関係次第ではステマと受け取られる可能性は0ではありません。
ステマは法的にアウト=違法?
ステマが法的にアウト=違法なのかどうかはよく議論になりますが、結論をいえば「ケースバイケース」と言えます。
ステマを規制する際の中心となる法律は「景品表示法」だとされますが、その中でも特に争点になるのは、その商品を他社のものより著しく優良であると誤解させる「優良誤認表示」に当たるかどうかです。
ただし、この辺りの線引きは社会一般の倫理観にも大きく左右されるため、結局のところは個別の裁判や判例にもとづいて判断されることになります。