アドセンス収益とSEOの関係 - 稼ぐための方程式
アドセンスの収益を決める計算式
以下はアドセンス収益がどのように決まるのかを表した数式になります。
アドセンス初心者やブログ収益が思うように伸びないと頭を悩ませている方にこそ、まずは読んで頂きたい内容になっています。なぜ、クリック率や単価を上げることよりも、PV(ページビュー)を増やす=SEO対策に力を入れることが重要なのかを解説しています。
1)収益 = PV × クリック率(CTR)× 単価(CPC)
最初の式の中で最も重要なのはPV(ページビュー)です。単価×クリック率をRPMと置き換えたとして、RPMを100倍にすることはほぼ不可能です。広告の種類や配置を色々試してRPMを高めようと試行錯誤したとしても、せいぜい20〜30%UPで2倍にできればかなり上出来な方です。
しかし、PVは正に青天井、いくらでも上昇の余地があります。もちろん、どこをスタート地点と捉えるかによっても変わってきますが、PVを10倍100倍に高めることは十分可能性のある話だと思います。アドセンスで収益を爆発的に伸ばしたアフィリエイターは皆、RPMの上昇ではなくPVの伸びによって達成しているはずです。つまり「アドセンスにおける収益を決定づける最も重要な要素はPVである」ということです。
単価を決める要素
基本的に広告のジャンルであり、そのWebページのテーマです。
クリック率を決める要素
広告のサイズ・種類・配置・ジャンル、コンテンツの性質、ユーザーの属性(デバイス・年齢・Webに慣れているか)
2)PV = 訪問数 × PV/ユーザー
PV(ページビュー)は訪問数(人数)と「一人のユーザーが何PV読んでくれるのか?=回遊率」で決まります。ここでより重要なのは訪問数です。一人のユーザーに100PV読んでもらうのは不可能ですが、訪問数を100倍にすることならできるからです。加えて、訪問者の質も重要な要素となります。
一般的に言って、再訪問者(リピーター)が多くなれば検索順位を上げる効果が期待できますが、広告のクリック率という観点で見れば新規ユーザーの方が高いという傾向があります。つまり、アドセンスで収益を増加させるためには常に新鮮な新規ユーザーを獲得し続ける必要があるのです。
3)訪問数 = 検索数 × クリック率(検索結果)
そしてこの訪問数、特に新規ユーザーの訪問を獲得するには検索エンジンからの流入が不可欠となります。Google・Yahoo・Bingなどの検索エンジンからの流入はオーガニック検索とも呼ばれますが、オーガニック検索による訪問数を決めるのは「キーワードごとの検索数」と「検索結果におけるクリック率」の2つの要素です。
4)検索数 = 興味 × キーワード
特定のキーワードにおける検索数は「ユーザーの興味・関心」と「そのキーワードが想起されるかどうか」の2つの要素で決まります。
検索キーワードは漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット・数字・記号(?など)を組み合わせた形で無数に存在しますが、大枠としてのビッグワード(メインとなる単語1語)が「ユーザーの興味・関心」によって選択されたのち、さらにその単語に意味づけを行うための共起語が加えられ複合語の形で検索キーワードとして入力されます。
キーワードは連想ゲーム
ここで重要なのはどういった共起語が想起(連想)されやすいか?ということです。SNSに興味を持った人達が、次にどんなキーワードで検索をするのか?「SNSの意味」かもしれませんし「SNSの種類」もしくは「SNSの問題点」かもしれません。多くの人が知りたいと思ったり疑問に感じたことは、より検索数の多いキーワードとしてWeb上を飛び交います。
こうした、いわゆる「ミドルワード」での検索で求めている情報にたどり着けなかったユーザーの中には、3語・4語と単語を追加して「非常にニッチなキーワード = スモールワード」を入力する人も少数ながら存在し、これらスモールワードの集合体を一括りにした「ロングテール」という概念も存在します。
ビッグワードで1位を獲得するための条件
ただ、そうした全ての人達に共通しているのは共に「SNSに興味がある」ということであり、多くの人はストレートに「SNS」で検索するでしょうし、漠然とした「SNSの何か」を知りたいのであれば「SNSとは」といった抽象的なキーワードを選択することになるでしょう。
そしてこの「SNSの意味」「SNSの種類」「SNSの問題点」「SNSとは」といったキーワードそれぞれが検索クエリ(ユーザーの疑問)であり、この具体的な疑問に一つ一つ答えていった結果、最も多くのユーザーを満足させたサイトが「SNSというビッグワード」で1位を獲得できるのだ、と考えます。
キーワードの階層構造
つまり「最も抽象的なワード = ビッグワード」は「最も連想されやすいミドルワード」を内包し、それらミドルワードは「さらに限定的かつ具体的なスモールワード」を含んだ上位概念であると理解できます。「最も検索数の多いビッグワードがSEO的に最も難易度が高い」とされるのは、こうした「キーワードの階層構造」が存在するためです。
5)クリック率(検索結果)= 順位 × タイトル
検索結果(SERP/SERPs)におけるクリック率を決める要素は順位とタイトルの2つです。ただし、ほとんどのユーザーは2ページ目以降を見ることはないため、SERPにおけるクリック率を問う場面は必然的に1ページ目(10位以内)に入っていることが大前提となります。
その上で、10位以内に入れるようなサイトはtitleタグに関しても相応の対策をしているケースがほとんどであり、タイトルだけでクリック率の逆転現象が起きるケースは稀です。つまり、検索結果におけるクリック率は「ほぼ順位によって決まる」というのが実情だと言えます。
6)キーワード × 順位 = SEO
キーワードには、検索数に応じて「ビッグワード〜ロングテールまでの無数のキーワード」が存在し、ビッグワードを頂点とした階層構造が存在する、という部分を解説しました。続いて、これら無数のキーワード個々に対してSEO的ランキングが存在し、それぞれの検索数のうちどの程度の訪問数を獲得できるかはほぼ順位によって決まる、という点にも言及しました。そして、この2つの概念(キーワード・順位)を掛け合わせたものがSEO(検索エンジン最適化)の本質ということになります。
SEOはトーナメント戦
つまり、SEOとは「無数の検索キーワードの中から1つを選び出し、検索ユーザーを満足させるだけのコンテンツを提供することで順位の上昇を図ろうとするウェブサイト同士のトーナメント戦である」と言い換えることができます。
スモールワードやロングテールは地区予選のようなものであり、そこを勝ち上がったサイトがミドルワードで戦う切符を手にし、最終的にビッグワードの1位、つまり優勝を目指して日々優良なコンテンツを作り続ける、それこそが「Web上で繰り広げられるSEOという名の電脳競技の正体」なのです。
ただし、物販アフィリエイトや多くの企業サイトにとっては「無闇にPVが多ければ良い」というわけではなく「コンバージョン」という要素も重要になってくるため、ここで想定しているSEOとはあくまで「アドセンス収益を中心に考えた場合のSEO」である、という点は強調しておきます。
ブラックハットSEO=ルール違反
SEOのことを「トーナメント戦」だとか「競技」だとか表現することに違和感や抵抗を感じる人も少なからずいるだろうと思いつつあえてこうした表現をしたのには理由があります。それはブラックハットSEOの存在です。
ブラックハットSEOとは「Googleの理念やガイドラインに反した方法でSEO的評価を得ようとするテクニックの総称」ですが、言い換えればルール違反のようなものです。どんな競技にもルール違反にはペナルティがありますし、それを承知で不当な利益を得ようとする者は存在します。ルール違反が横行すれば競技の信頼性や魅力が損なわれてしまうため、競技の主催者(Google)は健全な場を提供するためにルールの変更(アップデート)を行うこともあります。
ホワイトハットSEO=ちゃんとしたSEO
SEOという概念はSEO対策という間違った造語が定着してしまう程に、特に我々日本人にとっては誤解が多く理解の進まない概念だと感じます。SEOを競技に例えることで「そこには明確な主催者(Google)とルールが存在するのだ」というニュアンスが伝わればいいなと、そう期待したのです。
よく「ブラックハットSEOとホワイトハットSEO、どっちがいいの?」という両者を対比させるテーマの記事を見かけますが、競技やルールという観点で捉えればこの問いかけがいかにナンセンスであるかが理解できます。ほとんどの競技において「ルール違反した方がいいの?どうなの?」なんて考えるプレイヤーはほとんどいませんし、仮にいたとしてもルール違反を犯したプレイヤーが上位に居続けることは不可能なはずです。
「アドセンスでちゃんと稼ぐための辞書的SEO」の「ちゃんと」の部分には「ちゃんとした」意味があるんです。余談の方が長くなりましたが、「アドセンスでちゃんと〜」を隅から隅まで読んでくれたサイト運営者さんならきっと「ちゃんとしたSEO」で稼ぎ続けてくれるであろうと期待します。
7)収益 ≒ PV ≒ 訪問数 ≒(キーワード × 順位)≒ SEO
さて、ここまで「アドセンス収益を決める方程式」というテーマで話を進めてきましたが、そろそろ総括に入りたいと思います。
まず1式では「収益にとって最も重要なのはPVである」という所からスタートしました。続く2式においては「PVは新規ユーザーの訪問数に比例する」としました。さらに3式ではその訪問数を「検索数×クリック率」で表しました。4式でその検索数を「興味・関心から始まるキーワードの階層構造」であるとし、5式で「クリック率はほぼ順位によって決まる」という実情に触れました。
最後の6式では4式5式の掛け算、すなわち「キーワード×順位」こそがSEOの本質であると結論づけました。つまり、これら1式〜6式までをまとめると以下のようになります。
収益 ≒ PV ≒ 訪問数 ≒(キーワード × 順位)≒ SEO
8)収益 ≒ SEO
ここでやっと「アドセンス収益を決める方程式」の終わりが見えました。ものすごく単純ですが、
収益 ≒ SEO
です。「アドセンス収益はSEOの成果によってほぼ決まる」ということが分かりました。僕はこれをさらに、
収益力 ≒ SEO力
と言い換えたいですが、もちろん「数は力なり」で実際の収益は「物量 = ページ数」に大きく左右されます。あくまでも今回の計算式は「要素の分解と論理の飛躍を繰り返した上での非常に強引な数式」ではありますが「アドセンスでちゃんと稼ぐための辞書的SEO」というタイトルが示すように「アドセンス収益とSEOの密接な関係」は十分理解してもらえたと思います。