モニタリングとは
モニタリングとは、継続的な監視のことである。
一般的には医療現場や環境調査などの場面で健康状態や気象状態を継続的に調べることである。2011年3月11日の東日本大震災以降は、地震に伴う福島原発の事故により放射性セシウムが飛散した。そこで放射線をモニタリングする機会が増え全国的に注目を集めている。セシウムとはこちらを参照。
放射線モニタリングとは
ガイガーカウンターなどの放射線測定器を用い、空間線量や米・野菜などの農作物、魚などの業界類の放射能汚染を調べることである。ちなみに放射能とは放射性物質が放射線を出す能力のことである。
環境モニタリングとは
主にモニタリングポストにおいて、大気中のセシウム濃度などを計測すること。測定された空間線量は毎時0.1マイクロシーベルトなどの様に表現される。米・野菜・魚などの食品は、ゲルマニウム半導体検出器を使い汚染レベルが調べられる。この場合は、1sあたり100ベクレルの様に表記される。
個人モニタリングとは
放射線業務従事者などの外部被曝を計測するためにフィルムバッジやポケット線量計が用いられる。内部被曝のチェックにはホールボディカウンターなど専門の機器を置いた病院で調べる必要がある。
モニタリングポストとは
主に空間線量を定点観測するために設置されたモニタリング施設のことである。各自治体の細かい測定を行うために、自動車を利用した移動式のモニタリングポストもある。検出機器には、蛍光作用を利用した「シンチレーション検出器」や電離作用を利用した「電離箱式検出器」が利用されている。これらはガンマ線測定に向いているためである。
文部科学省によるモニタリング
文部科学省では空間線量率の計測をはじめ、上水・定時降下物・航空機による広域モニタリング・ホットスポットなどの高線量地域の調査などを行っている。また、子供・児童への被曝を低減させるため、学校の校庭や屋外プールの水についてもモニタリングしている。
厚生労働省によるモニタリング
厚生労働省では、米・野菜などの農作物、牛・豚・鳥などの畜産物、水産物などのモニタリングを行っている。
都道府県によるモニタリング
福島原発のある福島県をはじめ、宮城県・茨城県・東京都・千葉県・埼玉県など全国の自治体でも同様のモニタリングを行っている。
モニタリングの意味
モニタリングの意味とは、予想される被ばく線量を一定以下に抑え、被曝に伴う健康被害を最小限に止めることにある。そのため、食品や飲料水には暫定基準値が設けられた。ちなみに、ベクレルとは放射能の総量であり、シーベルトとは放射線が人体に与える影響を表す単位である。
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放射能モニタリングに使用される測定機器
ガイガーカウンター
ガイガーカウンターとは、主に空間線量を計る目的に開発された機器です。福島原発の事故をきっかけに一躍注目され、一時は品切れになる販売店も多かったとの事。事故以前は数万円〜数十万円と非常に高価な機械でしたが、最近では低価格の物が開発され一般人でも入手しやすくなったと言われています。
ホールボディカウンター
ホールボディカウンターとは、直訳すれば全身測定器であり、外部から人体の内部被曝量を計測する医療機器である。日本には各原子力発電所や一部病院でしか扱っておらず、主に放射線業務従事者のために存在すると考えられる。
ゲルマニウム半導体検出器
ゲルマニウム半導体検出器とは、食品や水・土などに含まれる放射性物質の量を計測する機器である。